【書籍】現代のオランダを知る本

■オランダモデル 長坂寿久

日本経済新聞社少々オランダを誉めすぎの感ありですが、1980~90年代のオランダの社会事情が非常によくまとめられた本。オランダ病からの脱却、パートタイム経済、福祉、NGOなどを中心に、現在のオランダがどのような過程で作り上げられてきたのかを窺い知ることができる。
オランダに住んでいる人には、本書で書かれている『コンセンサス社会』を読むと、オランダ人の行動パターンを理解するヒントになるかもしれない。
ただし21世紀に突入した今、オランダの現状はかなり変わってきているので、この本が今のオランダそのままだと思ってはいけません。

■ワークシェアリングの実像 雇用の配分か分断か 竹信三恵子 岩波書店

あくまでも日本のワークシェアリングの現状と課題を提示するために書かれた本だけど、オランダのワークシェアリングの性質が他国との比較によってよく分かる。
2000年に入って、日本政府が一生懸命オランダのワークシェアリングを学び取ろうとしていたけれど、そもそものスタンドポイントがまったく違うことがよくわかる。

そのスタンドポイントの違いが鮮明に書き出されているうえ、不要な過大・過小評価が感じられないので、ワークシェアリング理解にはお勧めの一冊。

■美しいままで ネーダーコールン靖子

オランダに住む日本人で初めて安楽死で人生を終えたネーダーコールン靖子さんの記録。
ご本人の短歌や日記を知人がまとめ、ストーリーにしている。
癌闘病の様子がすさまじく、安楽死を選らばざるをえなかったことが本当に悲しい。
これほど日本語で安楽死にまつわる感情がこまやかに書かれた本はないので、安楽死を知りたい人にはぜひ読んで欲しい。

■麻薬・安楽死の最前線 挑戦するオランダ 平沢一郎 東京書籍ゲイ、移民、ホームレス、麻薬、安楽死・・・

オランダ人が外国人に自慢したくない、でも外国人が一番知りたいオランダの社会問題がまとめられた本。ということで、外国人の私たちには興味深いテーマばかり。

ロッテルダムの劇場前広場近くの教会になぜ麻薬中毒者がいつも集まっているのか、知りたければこの本を読んでみよう。

■オランダ水辺紀行 平沢一郎 東京書籍

ワデン海のアザラシ病院、ポルダー、デルタプロジェクト、ハウスボート、帆船。
水の民族オランダ人のルポルタージュ。
突風が吹く海岸を嬉しそうに走る親子、運河が凍るとすぐさまスケートをする人々。この小さな国の変人たちに愛情とリスペクトを感じる一冊。

第一章の”ハンス”は私の主人、ハンスのことが書かれています。

■オランダ 何でもありの王国へようこそ

オランダの自転車、食べ物、音楽、政治など、トピックごとに書かれたコラムで構成されている読み物兼ガイドブック。オランダ入門には最適。どの文章もなかなか詳しく面白い。
麻薬の世界、ゲイの世界、などはコーヒーショップにもゲイバーにも足を踏み入れたことの無い私は分からないので参考になりました。

しかしこの『何でもあり』、麻薬も売春も合法だから『何でもあり』って言いたくなる気持ちもわかりますが、何でもあるからこそ、逆に一般市民は非常に保守的だってこと、忘れないで下さい。

■痴愚の女神とオランダ人 松井満夫 郁朋社

”ケチでは世界的に定評のあるオランダ人にお人好しな日本人と言われないための「400年目のオランダ人論」”-とは帯に書かれたコメント。元企業のオランダ駐在員だった松井満夫さんの、渋い一冊。

痴愚の女神との問答形式で、ストーリーが展開されているのですが、もう、それはそれはオランダ人に対しては辛口のコメントばかり。しかしよく下調べされた内容なので、思わずヒザを叩いてしまう。
甘口のオランダ本に飽きたら、この一冊を。

■オランダの顔~オテンバ外交官の日記から~ 野田尚美 文芸社

日蘭400周年記念の年、2000年までデン・ハーグにある日本大使館で外交官として働いていた野田尚美さんのエッセイ。
全てにわたって非常にポジティブな視線で書かれたオランダ滞在記。

■物語オランダ人 倉部誠 文春新書

この本を読むと、オランダ人ってなんて嫌な奴らだ、と思うことでしょう。
まんざら当たってないことも無いですが、あくまでも個人的体験がベースなので、これがオランダ人の一般論だとは思わないように。
オランダに今から住もう、と思っている人は読まない方がよろしいでしょう。

■オランダ人のまっかなホント ロドニー・ボルト マクミラン ランゲージハウス

オランダ人にまつわる一般論が満載。
うそかホントかは自分で確かめてみよう。

■ヨハン・クライフ『美しく勝利せよ』 フリーツ・バーランド/ヘンク・ファンドープ著 金子達仁監訳 二見書房

サッカーの神様、ヨハン・クライフの名言を集めた一冊。
オランダサッカーを知るには必読の書。
クライフはオランダ人が聞いても一瞬??と面食らってしまうようなコメントをする。オランダ語から、英語経由で日本語にまで翻訳されてもなお、クライフのエッセンスが濃縮されている。

この本をまとめたFrits BarendとHenk van Dorpは、夜のトークショー『Barend en Van Dorp』の司会。この本は、過去にクライフがインタービューで発言した内容が中心になっている。