【雑学】外国人のオランダ語教育

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オランダに住む外国人(駐在員など一部を除く)は、Inburgeringsprogramma(移民同化プログラム)を受ける義務が課せられています。日本人の場合、私のようにオランダ人と結婚したり、Samenleven(同棲)契約を交わしている人たちや、その他移民にカウントされている人たちが主にこのプログラムの対象者となっています。
私たちが自治体主催のオランダ語講座を安く受けているのは、このプログラムのお陰・・・というか、せいなのです。
その他、先にオランダに来ていた家族と同居をしに来た移民、経済的な理由でオランダに職を求めてきた移民や、難民もこのプログラムの対象者です。

■担当している機関

このプログラムは、Ministerie van Sociale Zaken en Werkgelegenheid(社会問題・雇用省)が担当しており、1998年9月30日に発効した法律”Wet Inburgering Nieuwkomers”によって様々なルールが決められています。
参加者の管理やコースの実施などの実務は、各自治体に任されています。ロッテルダム市ではMigratie Integratie en Participatie (MIP)という機関が窓口になっています。

http://www.sozawe.rotterdam.nl/

■誰が対象者か?

”新移民同化法の下、全ての新移民で有効な滞在許可を持つ者は、MIPの移民同化調査に参加する義務があります。”
というのはMIPが打ち出している基本ルール。

新しくオランダに定住のために来た外国人は、 まずは移民調査に参加する必要があります。これはMIPから呼び出しが来ることになっていますが、私の場合待てども待てども呼び出しが来なかったため、自分でMIPに出向きました。大きな都市では忘れられることがよくあるようなので、早くオランダ語を習いたい場合は自分で先手を打って問い合わせてしまいましょう。

調査書を持って、MIPでインタビューを受けます。その他、滞在許可証やパスポート、ディプロマなどが必要です。そのあと、あなたは十分オランダに同化しているか、それともInburgeringcursus(移民同化コース=オランダ語、オランダ社会の勉強)が必要かをMIPが判断します。
オランダ語が既に話せて、オランダ社会のことを十分に知っている場合はそれで終わりですが、オランダ語のできない場合は、それから学校に送られるわけです。

ロッテルダムの場合は、MIPからVIAというオランダ語学習のいわば相談機関のようなところに回され、そこから学校に振り分けられます。 

■Inburgeringsprogramma(移民同化プログラム)

このプログラムは、あくまでもオランダ社会に移民を同化させる目的であるため、オランダ語を学ぶただの語学学校ではありません。具体的には・・・

-オランダ語
-オランダ社会のオリエンテーション(オランダの法律や社会の仕組みについて。)
-就職オリエンテーション(履歴書を作る。どんな仕事をやりたいか、できるのか。)
-コンピュータの使い方
-分野別用語の勉強(アドミニストレーション、会計、医療など)、英語

がセットになっています。
最終的には、オランダ語を習得し、職を得て、オランダ社会における良き市民、労働力を養成するという目的があります。

■具体的なプロセス

オランダに引っ越してきてすぐ、市役所で外国人登録をします

数ヶ月すると滞在許可がおり、MIPから移民調査書が届きます

調査書に記入し、MIPの面接を受け、学校開始を待ちます

学校が始まります

真面目にオランダ語を勉強します。その間、数回MIPから呼び出しを受け、テストを受けます。

NT2の試験に無事合格。学校も終わります。

晴れてあなたは立派な模範的オランダ在住外国人になれます

住んでいる自治体や、通う学校によって違いますが、学校に行けるまで早い場合で3ヶ月ほど、遅い場合で1年以上。学校は2年間弱が普通です。

■NT2(Nederlands als Tweede Taal)

オランダ語の国家試験。これが受かれば貴方のオランダ語は国家にお墨付きをいただいたようなものです。就職の際にも”NT2を持ってます”と言えば、ある程度ポイントは上がるでしょう。

試験は年に3回行われます。試験はLezen(読む)、Luisteren(聞く)、Spreken(話す)、Schrijven(書く)の4つのモジュールで構成されています。一度に4つ受ける必要はなく、一つづつ合格証書がもらえます。例えば専門学校の入学には、学校によって4つのうちどれか3つが受かっていればいい、というところもあります。4つ全部受かるに越したことはありませんが。

このNT2にはProgramma I とProgramma II があります。
Programma II は専門学校や大学に進学する人、仕事である程度上のレベルを目指す人のための試験です。I のあとにII を受けるのではなく、I を受けるか II を受けるかのどちらかを選びます。

Lezen(読む)
答えは選択式ですが、とにかく読む量が多い。日本の英検のような穴埋め問題などはなく、付け焼刃な勉強では歯が立たないです。微妙に悩む選択肢が多い。

Luisteren(聞く)
短い会話や長いインタビューを聞いて、問題用紙に書いてある質問を読んで、答えを選びます。こちらも話の筋をどれだけ理解しているかが問われる出題方法。

Spreken(話す)
テープに吹き込まれた問題を聞いて、信号音のあとに独り言のように答える。回答時間が非常に短いので、よく問題を理解して、なるべく無駄な言葉は発しないようにするのが得策。

Schrijven(書く)
書いて書いて書きまくるテスト。前半は一問につき数行書くだけですが、後半は手紙や数百ワードほどの文章を書きます。課題を読み間違えないこと、正確に書くことはもちろん、さっさと書かないと全部答えられません。

大事なのは日頃の積み重ね。いずれの試験も、日本の語学検定のように問題集さえすれば受かるようなものではなく、実際に言葉を使う能力が問われる出題方法です。

http://www.ib-groep.nl

■オランダの移民同化政策キーワード

Allochtoon=”外国人”。厳密な定義では、両親のどちらかがオランダ生れでない人のことを指す。定義上では、トルコ系オランダ人の父にトルコ人の母の子供や、オランダ人の母にベルギー人の父でも、その子供はAllochtoneにカウントされます。
日本語の”ガイジン”というニュアンスに近い使われ方をされることもあり。名指しでモロッコ人と言ったり、ガイジンという言葉だと差別的に聞こえる、と考えた人たちが編み出した苦肉の単語。

Autochtoon=両親ともオランダで生まれたオランダ人の人。いわゆる生粋のオランダ人。

Multiculturele Samenleving=多文化社会。オランダの都市部は外国人(トルコ人やモロッコ人など)が多いのですが、その外国人たちが自分の文化やライフスタイルをそのまま保ち、オランダ社会に馴染まないことが問題になっています。文化が多様になったというポジティブな部分よりも、犯罪の増加や外国人がオランダで勝手な振る舞いをするなどネガティブな部分が焦点になっています。

Nieuwkomers=新移民。最近移民してきた外国人。

Oudkomers=旧移民。数十年前からオランダに住んでいる移民。すでに50、60代に到達しているいて、オランダ語が話せない人たちが多い。その子供や孫はオランダ人として育ってきたため、世代間の隔絶や、オランダ社会との隔絶が問題になっている。